外様部長の効用
-期待と戸惑いのはざまで(千葉)-
千葉県は今春の人事異動で、総務省の植田浩氏を総務部長に迎え入れた。財政と人事を仕切る総務部長に、旧自治省時代を含め、総務省出身者が就くのは実に23年ぶり。堂本暁子知事は「国とのパイプ役」と説明するが、庁内には戸惑いや批判の声もある。(中略)
「財政再建もぜひ手伝ってほしい」というのは知事の本音だろう。また、三位一体改革をめぐって国との駆け引きも本格化する。さらに、出先機関の再編は総務省出身の総務部次長が、特定調停中の住宅供給公社の処理は国土交通省出身の住宅課長が担っただけに、新たな「外圧」を使って財政の切り込みや人事制度の改革を進める可能性もある。
植田部長は「千葉県の印象なんて、まだまだ」と様子見の構えだが、知事の期待と庁内の戸惑いのはざまで、手腕を試されるのはこれからだ。
(2004年4月15日/官庁速報)
今回の総務省からの部長招聘には県庁内でもかなり異論があるだろう。そもそも無党派知事としては何かそぐわない感じもあるし、「日ごろ主張している『千葉主権』はどうなったのか」との声も当然上がってくる。
しかし、今回、堂本知事がなぜ総務省官僚を選んだのか、私にはよく分かる。
職員たたき上げの沼田武前知事の就任以降、総務部長は財政課や市町村課を経た庁内エリートが占めてきた。知事自身が「たたき上げ」なら、幹部連中は自分の後輩ばかりで、何を考えているかよく分かるし、裏の事情にも通じている。
ところが、堂本氏のような落下傘知事の場合、そういった古参幹部をうまくコントロールするのはなかなか難しい。彼らは自分にとって都合の良い情報しか出さないし、県議や業界幹部、県庁OBなどとの腐れ縁もあって、大概は改革に後ろ向きなのである。
知事も表向きは、新総務部長に国とのパイプ役を期待している旨述べているようだが、実際は面従腹背を続ける古参幹部達への強烈なしっぺ返しといえる。改革を進めるためには、言を左右にしてちっとも動こうとしない腐れ縁「庁内エリート」を相手にするより、しがらみのない国の官僚の方がよっぽど頼りになるということを、堂本知事は気づいたのである。


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